孤独死が急増する3つの理由とは?40代から備える対策と特殊清掃について解説
2019.10.20
はじめに
日本では以前であれば複数の家族で暮らす世帯が一般的でしたが、現在は多くの事情から単身で暮らす人の割合が高くなっています。
この単身世帯の人の場合には横の繋がりが希薄になるケースもあり、勤務している会社と自宅の往復を繰り返すだけの日々を送っている人も少なくありません。
自宅を訪れる友人や近隣の居住者もいなければ、突然に自宅で命を落した場合には誰にも発見されず、相当な時間が経過してから発見される孤独死の割合も高くなってしまいます。
この孤独死の傾向は年々大きくなっているために行政機関も注視している問題ですが、これからも単身世帯が増加する可能性が高くなっている現状では、対策と解決は時間をかけることができない急務な問題と言えます。
孤独死とは
孤独死というのは人間が死亡する際にその最期を誰にも看取られずに死亡したため、誰からも発見されず時間が経過してからその状態を認識されることを言います。
そのため自殺と似たような印象を持たれますが、孤独死というのは本人が特に死亡の意思がないのに病気などが原因で絶命してしまうことが条件になっています。
そのため孤独死が多くなっているのは自宅であり、病院などに入院していれば家族でなくても医療関係者がすぐに発見してくれるので、孤独死にはなっていません。
以前であれば高齢者がその典型的な対象者になっていましたが、現在は生活習慣の悪化や若年者でも他人との接触を極力行わない人が増加しているため、年齢に関係なく発生しているという特徴があります。
孤独死はどんどん増えています
孤独死は単身世帯の増加と他人との接触を控える傾向が強い人が多くなっているといった理由から年々増加しています。
現在では公的機関の報告でその人数は年間3万人を超えるペースで増えていて、この人数はこれからも増加する可能性が極めて高いのは間違いありません。
この原因としては日本では人口は減少しているのに世帯数が増加していることが物語っているように、家族を持たずに一人暮らしをする人の割合が多くなっているからです。
この中には以前は結婚していたり扶養家族がいた場合もありますが、離婚や死去によって単身世帯になっているのが理由になっています。
孤独死しやすい人の特徴
単身世帯の人が全て孤独死という結果になるわけではなく、そこには一定の特徴があります。
人付き合いが苦手で社会から孤立している人や家事が出来ない中高年の男性、または経済的な余裕のない人が対象になっています。
孤独死しやすい人の特徴1.人付き合いが苦手で社会から孤立している人
人間には他人との接触を好む人と他人との接触を持ちたいのに上手に対応できなかったり、元から人付き合いが苦手な性格の持ち主がいます。
このように人付き合いが苦手な人は積極的に外に出ないような生活を送るため、近隣の住民との接触も積極的に行ないません。
仕事をしていれば職場を離れれば特に親しくない限りは付き合いは少なくなり、地域住民はプライバシーもあって積極的には行動しない場合が多くなっています。
孤独死しやすい人の特徴2.家事が出来ない中高年の男性
孤独死は女性よりも圧倒的に男性が多くなっていて、その原因の一つに家事全般ができず、生活習慣が良くない状態が継続していることが考えられます。
家事でも自炊ができない割合が高くなっていて、弁当やインスタント食品、外食で済ますために栄養バランスが悪くなり、体調不良を引き起こしやすくなってしまいます。
また、掃除をしないので当然に衛生環境も悪くなり、細菌や微生物が繁殖しやすくなっているのも体には悪影響を与えている理由です。
孤独死しやすい人の特徴3.経済的な余裕のない人
経済が発展しても収入格差は常に発生している事象であり、この収入の少なさから自分の体調管理ができていないことも原因になっています。
この収入格差の対策として政府も方策を打ち出していますが、簡単には解決できないというのが現実です。
経済的に余裕が無いので体調が悪くても医療機関を受診せず、そのまま放置してしまうために状況が悪化してしまうのが孤独死に繋がっています。
当然に食事も偏る傾向があり、対策を自ら行っていなければ改善するのは難しいと言えます。
孤独死が急増している理由は?
孤独死に関する統計では対象者はほとんどが男性の単身世帯であり、女性はそれほど多くありません。
これは男性特有の性格が関係していて、女性の場合は男性よりも社交性があるので積極的に外に出ようとしますが、男性は部屋に籠りだすとどこまでも一人でいてしまうということが原因です。
一人でいると誰にも気を遣う必要が無いので好きなことができますが、他人との接触を持ちたくない人でも孤独を耐えるのはとても難しくなっています。
そのために寂しさを紛らすためにアルコールに逃避する確率が高くなっていて、近くに誰もいないので好きなだけ飲んでしまうことが体への悪影響を増加しています。
パラサイト・シングルの増加
パラサイト・シングルというのは実家から独立したことがなく、生活の家事全般を家族にしてもらっていたために自分では何もできない人を言います。
これは一人っ子の割合が増加した頃から多くなっていて、親からすれば何歳になっても子供は子供という感覚が無くならないことが原因です。
その親が高齢などの理由で死去してしまうと、自分では何もできないので荒れた生活習慣を繰り返すようになってしまいます。
孤独死を未然に予防する対策方法
孤独死を引き起こす原因には一定の特徴が存在しているので、その特徴を回避できるような状況に持って行くと未然に防ぐことが可能になっています。
対策で最も効果的には継続的に他の人が自宅を訪れることであり、誰かが安否確認をしてくれれば突発的に体調不全を起こしたとしても、対策をすることはできるでしょう。
家族がいなければ行政がその担い手になり、民生委員の利用頻度を多くするのはいい方法です。
病気の場合で意識が混濁してしまうと、自分で救急車や周囲の住人に救助を求めることができなくなります。
そのため、早期に対策を行っていれば死亡にまで至らなかったケースは少なくありません。
他の人の訪問が難しいのであれば、自分に何か危険が迫っている時にボタンを押すだけで外部に連絡ができる機器の設置なども有効です。
電話の場合は喋れなくなると状況確認が難しくなって手遅れになる場合があるので、最初から自分が窮地に陥っているという状況を知らせてくれる設備の方が対策としては適格だと言えます。
孤独死があなたの身の回りで起こった場合は?
現在のように単身世帯が多くなっている現状では自分の周囲でいつ起きてもおかしくありません。
この孤独死を発見した場合に放置するのは最悪な選択であり、まずは警察か救急を呼ぶようにしてください。
これは孤独死の場合にはどうして死亡したのかその原因が判断できないため、まずは警察に確認してもらう必要があるからです。
また医療関係者でもない限りは人間の完全な死亡確認はできないので、まずは救急車の手配をして生存していれば治療を施してあげるのが初期行動になります。
そこで少しでも孤独死している人物について知っていれば、警察に事情を説明して親族や関係者に連絡してもらうというのがいいでしょう。
これはいきなり知らない人から連絡を受けても信頼性がないためであり、ここは公的機関に仲介してもらう方が最適です。
発見した人が管理人など間接的に責任のある人であれば、積極的に解決に向けて行動を起こすことが求められます。
孤独死現場で必要になる特殊清掃
孤独死した部屋については本人が個人所有している住居であれば勝手なことができないので関係者への確認が必要になりますが、賃貸物件であれば次の賃貸人のために清掃してきれいにしなければいけません。
このような孤独死が発生した場合には普通の清掃では対応できないので、その対策としては特殊清掃を行うことになります。
これは死亡してすぐに対策ができていなければ体液が体外に出てしまい、簡単にはきれいにできないからです。
また強烈な腐敗臭のため、対策を取れていない業者では対応できないでしょう。
この特殊清掃には遺品整理も含まれていて、適切な分類ができなければ後になってトラブルの原因にもなります。
特殊清掃の料金相場
特殊清掃は地域によって多少の違いがありますが、基本的には清掃を必要とする面積と人数、それに清掃にかかった時間で料金が決められています。
最も安いワンルームで作業者が1人か2人、かかった時間が一時間強であれば3万円から8万円が相場であり、それから部屋の面積や人数とかかった時間で加算されていき一戸建てのように部屋数や所有物が多いと30万円を越えることも珍しくありません。
孤独死は時間が経つほど高額に
特殊清掃を行う場合に最も困難な作業になるのは、死亡者の体から流れ出た体液の処理と腐敗臭の除去になります。
一般的な汚れと異なり、人間の体液というのは定着すると取れにくいでしょう。また一般的に広く知られていませんが、人間が死亡して腐敗が始まると耐え難い腐敗臭が発生します。
それが長期間続いてしまう孤独死では、その匂いが壁などの室内に染みこんでしまうのでこの匂いを取り去るのに経費が高くなってしまいます。
失敗しない特殊清掃業者の選び方
この特殊清掃は免許制のような資格は必要なく、誰でも登録するだけで行うことができる業種になります。
そのため全くの異業種から進出してきたり、未経験者の業者も多くいます。
単なる清掃と考えていると孤独死した部屋を使えるような状態にするのは難しくなり、匂いや汚れが完全に除去できないのに終了してしまうケースもあるでしょう。
本人所有の自宅で次に使用するような人がいなければそれでもいいのですが、新たな住居人に貸し出す予定があれば、確かな技術と信用のある業者に依頼することが大切になります。
このような理由から長く業務を行っているところか、口コミなどを確認して悪い評判のない業者を利用する方がいいでしょう。
孤独死の原因を知って未然に防ぐ
孤独死は身近に経験しなければ自分には関係ないという考え方を持つ場合が多いのですが、一人暮らしを行っている世帯ではいつ起きてもおかしくない問題です。
他の人の訪問が頻繁にあったとしても常に誰かが一緒にいるわけではないので、そのタイムラグで起きてしまうと対策を講じるのは難しくなっています。人間は誰でも年齢を重ねていき、体力だけでなく体調も悪くなりやすくなってしまうでしょう。
関係無いと見て見ぬふりをするのは簡単ですが、孤独死に関しては適切な対策を講じると未然に防ぐ確率が高くなっているので、自分の周囲で孤独死になってしまう可能性が高い人がいる場合には、まずは積極的に交流を行っていくことが重要になります。
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