【恐怖】心理的瑕疵物件の意味とは?間違って選ばないためにココに気をつけて!
2019.10.19
はじめに
賃貸物件や中古の不動産を購入しようとするとき物件の立地や内容、費用などが自分に合っていても「心理的瑕疵物件」という記載があれば、ちょっと不安になってしまいませんか?
契約をしてから後になって周囲から、その家に関して何かのイヤな情報を聞いた時、賃貸物件ならまだ解約をすることは可能ですが、購入してしまったらなかなか後戻りをすることはできません。
住む側にそのような不利を被ってしまうので、不動産業者は事前に告知する義務があり、「心理的瑕疵あり」という記載をするのです。それは具体的にどのような物件のことをいうのでしょうか。
今回は説明していきます。
心理的瑕疵物件とは?どういう意味?
心理的瑕疵物件は「しんりてきかしぶっけん」と読むのですが、どのような意味なのでしょうか?
瑕疵物件とは何らかの欠陥がある物件という意味で、壁に穴が開いているとか雨漏りがするなどの瑕疵がある住宅のことですが、建物自体にはそのようなことがなくても、その建物の過去のことや周辺に関して、多くの人が心理的に受け付けないような欠陥があるということです。
心理的瑕疵のある建物は一般的に、事故物件ともいわれます。
心理的瑕疵物件の例
不動産業者が賃貸物件や不動産の売買を行う際に「心理的瑕疵あり」と記載するときの例としてはまず一つ目は、販売・賃貸をする不動産で過去に自殺や殺人があった場合です。
自殺や殺人で亡くなるのは、高齢や病気のために亡くなるのとは異なります。2つ目は販売・賃貸をしようとする物件で、過去に事件や事故による死亡があったというものです。
家の中で、階段から転落して亡くなった場合などが当てはまります。
3つ目はその物件の周辺で事件や事故、火災などがあった場合で、物件そのものでなくても周辺で交通事故死や火災での死亡などがあり、その事実を知れば多くの人が気味が悪いと感じるようなところです。
4つ目は、その物件の周辺に嫌悪施設があるというものです。嫌悪施設とは嫌われやすい施設のことで、葬儀場や火葬場、ごみ焼却場、刑務所、原子力発電所などのほか、小学校や中学校のように多くの子どもたちが集まるような施設のことです。
5つ目は、物件の周辺に指定暴力団等の事務所がある場合です。
心理的瑕疵物件の定義は曖昧
これらのような物件が心理的瑕疵ありと定義されますが、小学校が近くにあるからといって、子どもの声や登下校を嫌がる人ばかりではありません。
子どものにぎやかな声が嫌いではないので、小学校の近くだからといって心理的瑕疵があるとは思わない人もいます。
心理的瑕疵物件とは不動産を借りる人、購入する人にとって、心理的にイヤかどうかが重要視されます。
受け取り方は様々であいまいな定義ですが、定義を決めておかないと不動産業者の考え方によって告知したりしなかったりということがあるので、定義づけがされているのです。
孤独物件は心理的瑕疵物件なのか?
過去に住んでいた人が孤独死をした場合も心理的瑕疵ありとされることがありますが、孤独死、つまり自宅で一人で亡くなったことがすべて変死や事故死というわけではありません。
誰にも看取られずに病気や老衰などで亡くなることも孤独死といわれますが、仕事等で不在だった家族が帰ってきて発見したり、近所の方たちに見つけてもらうなどの状況であれば心理的瑕疵物件とはなりません。
自宅で亡くなるのは一般的だった時代なら、ほとんどの家が心理的瑕疵ありの住宅に当てはまってしまいます。
孤独死の場合は、発見が遅れて体液が畳にまでしみ込んでいたり、死臭がなかなか取れない状態になっていたような場合には心理的瑕疵物件とみなされることがあります。
心理的瑕疵物件は経過時間による定義も存在しない
心理的瑕疵物件とするには、その建物で自殺や他殺、事件や事故で亡くなった場合やその建物の周辺で事件や事故があった場合、また周辺で嫌悪施設がある場合、周辺に暴力団等の事務所がある場合という定義があります。
しかし、事件や事故などの事象からどのくらい経過すればもう告知する必要はないのかという期間が決まっているわけではありません。
そのため不動産業者が独自で決めている場合がほとんどです。
心理的瑕疵物件に当たる距離の決まりもない
また周辺で事故などがであった場合や周辺に嫌悪施設がある場合という定義はあっても、物件からどのくらい離れたところが該当するのかという決まりもありません。
ただ暗黙の了解で不動産業界ではマンションの一室で自殺や事件で亡くなった人がいる場合、上下と両隣りが瑕疵物件としています。
心理的瑕疵物件に住んでみた人の感想
実際に心理的瑕疵ありの家に住んでみたという人がいます。その体験談をいくつか紹介しましょう。
まず1人目は「築2年の戸建てに住み始めて2年ほど経ったところで、黒い影が自分の周りをうろうろし、そんな時に自分は金縛りにあうようになりました。
次にラップ音がするようになり、自分が誰かとハンスト期に限って音が大きく鳴ったりしたので、まるで気を引こうとしているかのようでした。
朝4時ごろには女性の鳴き声も聞こえるようになり、母も気持ち悪いと言い出したのですが、そのころから父と母がよくケンカをするようになって家の中が険悪になってきたので、家を売ることにしました。」という体験談です。
また別の家に住んだことがあるという体験談ですが、「高齢女性の孤独死があった家に住んだ時に、床に置いたバッグがすぐにかびるほど湿気とウジに悩まされ、食べ物の傷みも早かった」という話もあります。
心理的瑕疵物件3つの見分け方
心理的瑕疵物件に住むと様々な気味の悪いことが起こり家族までも険悪になったり、家の中がジメジメして陰気になるなど、実際に何らかの良くない現象が起こったという体験談があるので、できるだけ心理的瑕疵物件は避けたいという人が多いことでしょう。
ではそのような物件かどうかを見分ける方法はあるのでしょうか?
心理的瑕疵物件の見分け方1.重要事項書類を見せてもらう
業者は不動産を売る時や貸す時には心理的瑕疵物件であれば告知をする義務があります。
しかし定義は曖昧なので、要因となる内容が不動産業者によって事故物件として扱うのかどうかという点が異なり、告知されない場合もあります。
そのようなときは担当者に重要事項書類を見せてもらって確認をとるようにします。
心理的瑕疵物件の見分け方2.相場よりも安い場合は疑う
立地条件が良い、築年数が浅いなど本来ならもっと高額な費用で販売されるはずの不動産が異様に安い場合は、疑ってみて担当者に確認をとるようにします。ちなみに心理的瑕疵物件の場合は、相場よりも2割ほど費用が安いといわれています。
心理的瑕疵物件の見分け方3.物件をまとめているサイトを見る
株式会社大島てるが運営するサイトでは日本全国を対象にどの建物が事故物件であるかを公表しています。
誰でも見ることができるようになっているので、そのサイトで該当する地域をクリックして確認してみることが勧められます。
心理的瑕疵物件を扱う業者
心理的瑕疵ありの住宅はいくら費用が低額で購入または借りられても、実際の購入者は少ないので取り扱う業者が少なかったのです。
もし取り扱うとしても不動産業者は心理的瑕疵物件であることを隠して販売をしていたのですが、インターネットの普及で不特定多数の人に情報提供がされるようになってからは隠すことができなくなってきました。
そこであえてそのような住宅ばかりを取り扱う業者が出てきたのです。そのような業者は事故物件を適切な費用で買い取ってくれ、売却後のトラブルも業者に補助してもらうことができるので、トラブルに対して不安を持つこともありません。
心理的瑕疵物件を特別募集住宅という言い方も
マンションの場合は一軒家解体のように一棟ごと解体して建て替えるということができません。
UR都市機構では、家賃費用の補助があり、自殺や他殺など部屋で人が亡くなった物件を1年程度通常の半額ほどの費用で賃貸するということで募集をしていある場合があります。
その際は特別募集住宅と表記され、インターネットからではなく窓口からの申し込みとなっています。
心理的瑕疵物件を売却したい場合は?
心理的瑕疵がある住宅をスムーズに売却する方法としては、費用を補助して安くすることや事故や事件から長く経過してから売るようにするなどの方法がありますが一軒家解体をして更地にするという方法もあります。
一軒家解体には数百万円の費用が掛かりますが、現場となる一軒家解体をすることで、心理的瑕疵を感じにくくなるというメリットがあります。
しかし一軒家解体をしたからといって告知義務がなくなるわけではありません。一軒家解体後更地にしたからといって告知をせずに売った場合は、債務不履行として買主から訴えられ、大きな責任を負うことになるので、一軒家解体をして更地を売る場合も告知を怠ってはいけません。
また事故物件を一軒家解体するにあたり、瑕疵のない一般的な一軒家解体よりも慎重にお祓いをしてもらう必要があります。
一軒家解体に際して、家に感謝をすると同時に気抜きという考え方があり、人が長年住んだ家には気が宿るといわれるため、気をそのままにした状態で一軒家解体をすると災いが起こるということで、一軒家解体時にはお祓いをしてもらうのです。
それが事故や事件があった家ならなおさら、悪い気が宿っていると考えられるので、しっかりとお祓いをして気を抜いてから一軒家解体に踏み切る必要があるのです。
しっかりとお祓いをしてもらったうえで一軒家解体をして更地にし、きちんと告知をしてから更地の売却をすると、購入先が見つかる可能性が高くなります。
事前に部屋の掃除をしておく
人が亡くなった後の体液や血液が床や壁にしみこむとなかなか取れないので、リフォームが必要になります。
リフォームをしてもまだ何らかの跡が残るようなら一軒家解体も必要になりますが、見た目にわからなくなるくらいならそのまま販売される場合が多いです。
しかし死臭は残る場合が多く、いくらリフォームしてもにおいに敏感な人は感じ取ってしまいます。
そのため費用が掛かっても特殊清掃業者に依頼をして、しっかりと消臭作業を行ってもらうことが大切です。
体液が残るほどではなくても、心理的瑕疵物件と知らされると、暗くて陰湿なイメージがあるので、売却を考えるならできるだけきれいに掃除と消臭をし、明るい雰囲気の部屋にしておくことが重要です。
そしていくらきれいにしても臭いが取れないようなら一軒家解体も考える必要があるのです。
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