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【看護技術】清拭(せいしき)を正しく行うための5つの手順。目的についても!

【看護技術】清拭(せいしき)を正しく行うための5つの手順。目的についても!

はじめに

病気や怪我で入浴できないというケースはよくあります。

そんなときには、体をすっきりさせるためにも体を拭いてあげるということは重要です。

お湯を絞ったタオルなどで体を拭き、体の清潔を保つことを清拭といいます。

体を拭くことで、さっぱりした気分になるだけではなく、血行促進を促すことができるため床ずれや細菌感染の予防にも役立ちます。

病気や怪我で入浴できない、というケースは誰にでも考えられるため、正しいやり方を覚えておくと便利です。

清拭(せいしき)は看護技術

清拭(せいしき) 看護技術

清拭を行うときには、体を冷やさないようにバスタオルなどを使って行うことがポイントです。

ポイントによっては忘れやすい部分もあるため注意が必要となります。

また、汚れやすい部分は念入りに行うことも重要です。

陰部は、汚れやすい部分ですので専用のタオルを使用します。

デリケートな部分ですので、できれば本人に拭いてもらうことで、看護者も看護される人も心理的な負担が少なくなります。

清拭(せいしき)の目的

清拭の目的は

  • 体の汚れを落として清潔に保って皮膚の整理機能を高める
  • 不快感を無くして気分をスッキリさせる

ということ挙げられます。しかし、それだけではなく様々な効果を期待できます。

清拭することによって、体を温めることができ血行を促すことができます。

血行が促されれば拘縮や細菌感染の予防につながります。

また、腸の収縮する運動を促せるため便秘の改善にも良い効果をもたらします。

体の状態をチェックできるため異常を早期発見したり、適度な力で皮膚や筋肉を刺激することで、同じ体位による苦痛や倦怠感を軽減できます。

サイトはコチラ➡清拭の効果に関する論文

清拭(せいしき)の5つの正しい手順

清拭(せいしき) 必要なモノ

正しい手順は

  • 1:顔・首 中央から外側に向けって拭きます。耳の裏、首は汚れやすい部分ですので念入りに行います。
  • 2;手・腕 指の間も忘れずに行うのがポイントです。
  • 3:胸・お腹 円を描くように拭きます。女性は乳房の下が汚れやすいためきちんと拭きます。
  • 4:背中・腰 体を横にしてマッサージするように拭いていきます。お尻も忘れずに丁寧に行います。
  • 5:足 片足の膝を縦、支えながら行います。膝の裏、足指の間も忘れずに拭きます。

の順番で行います。

清拭(せいしき)に必要なモノ

ベットで清拭するためには、道具がいくつか必要です。

  • 約50〜55℃のお湯か電子レンジで温めてビニール袋などで保温した蒸しタオル、
  • 体にかけるためのバスタオル、乾いたタオル
  • 洗顔用・陰部用タオル、石鹸
  • 洗面器、使い捨て手袋
  • ビニールシート、着替え一式

を用意します。

清拭(せいしき)の手順

清拭(せいしき) 手順

清拭は、顔、手腕、胸・お腹、足、背部、陰部の順番で拭いていきます。

末端から心臓に向かって拭いていくのがポイントです。

顔は洗顔用のタオルを使って、中央から外側つまり目頭から目尻へと拭いていきます。

額、頬、顎の順番で拭いていきます。

汚れのたまりやすい小鼻、耳、首も忘れずに拭きます。手腕は、手首から腕の付け根に向かって拭いていきます。

肘の内側、脇の下なども汚れやすい部分です。

胸部・お腹は、鎖骨・胸骨・肋骨に剃って拭きます。腹部は円を描くように拭くと、腸を刺激できます。

足は、上半身をバスタオルで多いながら、足首から足の付け根に向かって拭きます。膝裏、足裏なども丁寧に拭きます。

背部は、楽な姿勢を保ちながら円を描く良いうに拭きます。

陰部は、専用のタオルを使います。介助するときには、男性の場合は陰茎、陰嚢、肛門の順にふきます。

隠ん系のシワの間まで汚れを拭き取ります。女性の場合は、恥骨から肛門に向けて一気に拭きます。汚れやすい部分も丁寧に拭き取るのがポイントです。

清拭(せいしき)を行う上での注意点

清拭 注意点

家族でも裸を見せるということは負担になってしまうため、清拭を行う場合には声をかけて同意を偉うことが大切です。

体調が悪いときには控えることも重要となります。

また、事前にバイタルチェックを行なって負担のない方法で行います。

清拭を行うときには、湿疹や外傷などがないかもチェックします。

外気にも注意します。服を着ている介助者は寒くないかもしれませんが、裸になる人は寒い可能性があるため室温に注意します。

寝具や衣類は濡らさないように注意が必要です。

プライバシーも保護して、心身に負担がかからないように行うことが大切です。

体の拭き方について

体を拭くときには、うつ伏せ加減にすると楽に拭くことができます。麻痺がある場合には、麻痺の内包を下側にするとやりやすくなります。

膝を曲げておくと姿勢が安静するため、安心して清拭して行えます。

床ずれ予防をしたいときには、赤くなっている部分をマッサージオイルを使って周囲のみをマッサージすると効果的です。

清拭(せいしき)を行う上で床ずれしないようにする

清拭 床ずれ

床ずれは、いつも下になっている部分が長時間圧迫されて血行が悪くなったり、皮膚が汗や尿などによって占める、皮膚やパジャマが汚れていると起こりやすくなります。

特にお尻や仙骨などがなりやすいとされています。そのため床ずれを起こさないためにも、清拭をこまめに行って清潔を保つということは重要です。

床ずれ防止のポイント

床ずれを予防するためには、1〜2時間ごとに体の向きを変えてあげると効果的です。

昼間はできるだけ座った姿勢を取らせるようにしていきます。

清潔や乾燥を保つことも大切です。正式だけではなく、おむつ交換をこまめにすることで、湿気や群れを少なくできます。パジャマやシーツ、布団もこまめに洗ったり干したりすることが理想的です。

マッサージするのも効果的です。清拭の後にマッサージオイルなどを使って、床ずれしやすい部分をケアすると効果的で、体を動かせるのであれば運動も心がけて筋肉を動かすことを意識します。

清拭(せいしき)用のタオルもあります

清拭 タオル

清拭用のタオルも販売しているため、それを利用するというのもオススメです。

使い捨てだから衛生的で、全身から陰部用としても利用することができます。

冷やしても温めても使うことができるため、体を拭くときには温めて、汗を拭くときには冷やして使うなどの使い分けも可能となっています。

保湿成分が配合されているものもあるため、肌の状態をよくすることも期待できます。

サイトはこちら➡清拭用のウェットタオル

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