孤独死する80%の人が陥る状況とは?孤立死と何が違う?
2023.02.23
はじめに
今回は『孤独死』と『孤立死』の違い。また、孤独死をされる方が陥られる状況についてお伝えします。
現在急増しているこの問題についてしっかりと理解することにより、あなたのご家族の中でこういった事態が起こらないよう対策を行っていきましょう。
孤独死は3万人を超える
苦しんで死んでいく様をみられたくないという気持ちの高齢者や悩みをどこに打ち明けたら良いのかわからず苦悩の末ひっそりと死を選ぶ若者。
人生に価値を見いだせなくなった働き盛りの人たち、そんな事情を抱えた人たちが病気や体調不良を放置し何も対策せずひっそりと亡くなるケースが増えており、孤独死は3万人を超えています。
人はギリギリまで追い詰められたとき、無様な姿をさらけ出して助けを求めることができる人もいますが、それができない人もおられます。
孤独死とは?
孤独死とは、親族がいたり地域コミュニティなどに参加して社会との関わりがあるにもかかわらず、一人で亡くなってしまうことをいいます。
社会福祉法人のグループホームなどに参加してると、スタッフが2~3日姿が見えないと心配して連絡取ろうとしてくれるので、発見されるのは孤立死に比べると早いといえます。
どんなに生前素晴らしい活躍をしていようとプライベートでは何らかの複雑な事情を抱えているケースが多く、たまたま病気になった際に適切な処置をとることを諦め、
親しい友人にも連絡することなく自殺に近い死に方をする孤独死がここ10数年前から増加傾向にある原因であり、孤独死を防止するための啓蒙対策が必要です。
孤立死とは?
孤立死とは「社会とのつながり」がまったく無い状況でひっそりと亡くなることです。
仕事もなく、身寄りもなく地域とのつながりもないという孤立した状態で死んでしまうのです。
他人や地域とつながらなくても健康でお金さえあれば生きていける人がいますが、そういう人が重い病気になった場合などが孤立死が増える原因になっています。
地域のコミュニティ組織などがもっと積極的に介入する対策が求められています。
孤独死と孤立死の違いは?
孤独死と孤立死は一人で亡くなることは同じですが、その違いは「社会とのつながり」があったかどうかです。
社会とのつながりがあったとしても、いざというときに連絡しなければ意味がありません。
孤立死の方が孤独死よりも深刻な事態であるということもあり、厚生労働省などでは「孤立死防止対策」という言葉が使われています。
孤立死を防ぐには社会とのつながりをもたせるための地域ぐるみの対策が必要となってきます。
孤独死になるのは女性が2割
一般的に女性は男性に比べてコミュニケーション能力が高いといわれます。
地域のグループホームやデイケアサービスなど積極的に参加して運営スタッフにも心を開き、お友達もつくって楽しく過ごそうという意識が高い傾向があります。
一方男性は、人の世話になるとか今更知らない人と仲良くなるということに強い抵抗を持っている人が多く、地域のコミュニティ参加率が低い原因になっておりなかなか心を開いてくれません。
歳を取るほど閉鎖的で頑固になるのが、孤独死が男性に多い原因であると考えられ、心を開いてもらう地域と行政が一体となった対策が重要です。
孤独死の4割は20~50代
2019年夏に引きこもりの男性が自分の部屋で熱中症が原因で亡くなっています。家族と住んでいるので特殊な形の「孤独死」です。
年齢は50代とのことで、この猛暑の中エアコンも入れず体調不良を家族に知らせることもなく、これはセルフネグレクトの原因が疑われます。
最近は40代~50代の引きこもりが特に増えているそうで、約600万人といわれています。
20代~30代は社会人になり心身症や社会不適応障害、パニック障害などを引き起こしその後も社会復帰がうまくいかず、誰にも連絡をとることなく死を選ぶというケースが多くなっており、医療機関と地域の連携対策を検討する必要があります。
孤独死を3日以内に発見するのは4割
孤独死は孤立死と異なり、親族が遠方にいたり地域のコミュニティやグループホーム・デイサービスなどに参加していて社会的には孤立していません。
身寄りがないこと、また居ても会いにも来ないことを知っているグループホームなどのスタッフがいれば、2~3日姿が見えないことでおかしいと思いはじめ、方々の関係者に連絡しまくって死体発見に至ることでしょう。
発見が遅れると個人レベルでは清掃が難しく特殊清掃を依頼する必要が生じます。
孤独死の原因はセルフネグレクトが8割
悪いウィルスに感染した結果その重症化が原因で自分で救急車も呼べないような場合に一人で亡くなっていたというケースが多いと思われます。
救急車を呼ぶ気もなく「このまま死んでもいい」と思って何も対策をしなかったら、セルフネグレクトだった疑いがあります。
生きる気力が無くなるのですから、病気になる以前から普通なら本能として備わっている「死」に対する恐怖が薄らいでいた可能性があり、セルフネグレクトの意識と共通するものが見受けられます。
つまり、孤独死の原因がセルフネグレクトであった、または病気が引き金になってそれに近い意識状態になった可能性があります。孤独死にセルフネグレクトが重なれば、部屋もかなり傷んでいる可能性があり特殊清掃が必要になるケースがあるのです。
孤立死、孤独死の特殊清掃を依頼する場合は?
死亡して長期間経過している場合は遺体が腐敗して季節や湿度などによっては、体液が床からさらに下の基盤まで染み込んで腐りかけているケースや悪臭が立ち込め、
除菌や消毒が必要になることから個人でなんとかするのではなく、専門の特殊清掃業者に依頼した方が迅速かつしっかりと清掃されます。
遺品整理をする業者のオプションで特殊清掃が付いてることがあるので、合わせて依頼するとよいでしょう。
ただし、特殊清掃の費用は死亡状況や家の構造等によって差はありますが10万円ほどの料金がかかると考えておく必要があります。
ただ、身寄りが誰もいない場合は誰が特殊清掃の費用を払うのかという問題が発生するので、そういうときは社会福祉協議会などに貸付け相談するしかありません。
孤立死、孤独死を防止するには?
厚生労働省の「孤立死防止対策取組事例一覧」では京都符京都市の対策として以下のようなことが記載されています。
介護保険法に基づく包括的支援事業の一環として,地域の高齢者の実態を 把握し,適切な支援に繋げていくため,平成24年6月から,京都市内在住の 65歳以上の一人暮らし高齢者(約7万人)を対象として,地域包括支援セン ターによる訪問活動を実施している。 事業の実施にあたっては,「京都市個人情報保護審議会」の承認を得たう えで,各センターに担当圏域の一人暮らし高齢者の個人情報(氏名,住所, 年齢,性別,要介護度,サービス種類,給付の有無,基本チェックリスト結果 等)を提供するとともに,各センターに1名ずつ,計61名の大幅な職員の増員 を行っている。
出典:厚生労働省
社会的な体制は少しずつ進んでいますが、不十分ではあるのが現実です。
やはり孤立化しないためには家族の支えや地域の方々のサポートが必要になってきます。家族で疎遠の方がいれば連絡をし、異変に気づいたら行動をすることがいいかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
孤立死と孤独死の違いについてはご理解いただけましたか。
孤独で亡くなってしまうことによってご家族が悲しむだけでなく、ご近所にも大きな迷惑がかかってしまいます。
そうなってしまう前に未然に防ぐことを意識していきましょう。
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