ゴミ屋敷になるのは病気(ADHD・セルフネグレクト)が原因?その治療法を紹介
2019.10.16
はじめに
ご近所トラブルというのはいつの時代にも起きていましたが、近年になってよく耳にするようになったのはゴミ屋敷であり、あまりに酷い状況になるとマスコミでも取り上げられることがあります。
ゴミ屋敷の問題点は居住している人にはトラブルになっているという自覚がないため、苦言や忠告を聞き入れないということです。
しかし、ゴミ屋敷は衛生面だけの問題ではなく、火災が発生すると物品の多さから消火が難しくなり、有毒ガスの問題も起きてしまいます。
他にも倒壊すると落下物による危険性が増したり道路にはみ出ることで交通にも支障を生じてしまうこともあるでしょう。このゴミ屋敷の問題はどこで起きても不思議ではない現象なので、早急に解決しなければいけなくなっています。
ゴミ屋敷になる人の5つの原因
ゴミ屋敷というのは場所や年齢性別に関係なく発生するもので、どうしてそのような状態になるのかわからない人も多くなっています。
しかし物が捨てられず貯め込んでしまう人には一定の特徴があり、普通に片付けられていると何が原因なのか理解できないことが多くなっているのですが、基本的には5つの理由が挙げられます。
その大きな理由としては、片付ける時間がないというものやストレスが溜まっていて注意力が低下しているという他に、物品そのものに執着して不必要な物品を捨てられないというケースがあります。
また精神的や心理的な状態も大きく関係していて、うつ病などの病気にかかっていたり、発達障害というADHDになっている場合にもゴミ屋敷を作りやすくなっています。
ゴミ屋敷にまでなって周辺住民とトラブルにまで発展する割合を考えると、決して看過できない問題になっているのは間違いありません。
ゴミ屋敷になる人は2パターン
ゴミ屋敷を作り出してしまう人には
- 性格的なもの
- 病気などが起因する場合
の2種類が考えられます。
性格的な場合では不要物が自分の居住空間に蔓延していても何も感じないという人であり、最初は少しずつでも片付けているのがある一定量を過ぎると、自分の手には負えないと諦めてしまう傾向が強くなっています。
これは元から自分のことに無頓着な性格を持っていることも関係していて、何とかしなければいけないという意識はあります。病気が関係する場合にはゴミ屋敷の状況に対して嫌悪感を生じなくなったり、片付けるという行動を認識しなくなっていることが考えられます。
ゴミ屋敷になる心の病気(1)ADHD
ADHDとは注意欠陥多動性障害という症状のことを言い、ゴミ屋敷を起こしてしまう人によく見られます。
この症状を持っていると一般的な常識や社会通念については認識していて、不要物を大量に貯め込んでいる状況を決して容認しているわけではありません。
状態によっては仕方ないと諦めているケースもありますが、一応は片付けなければいけないという考えは持っています。
そのため掃除や片付けをしようと動き出しはしますが、それが中途半端で止めてしまうので結局は大きな変化になっていないというのが問題です。このような症状が出てしまうと仕事についても集中力を継続しにくくなっているので、転職を繰り返す傾向が強くなっているという特徴があります。
ADHDの特徴
ADHDの最大の特徴は一つの物事を長時間継続できず、すぐに飽きて別の行動に移ってしまうということです。
この症状はいきなり生じるというものではなく、成長段階で起きているのでわかりやすくなっています。子供の頃に多いのは勉強をしていても別のことに意識を向けるので注意力散漫になり、全く身に付かないというような状態になります。
勉強だけでなく飽きっぽい性格なので趣味も次々に変えて定着しなかったり、一つのテーマを与えて遂行していても完遂できない場合が多くなっています。
住民トラブルに対しては適切に対応しようとしますが、行動を起こしても継続できないので結果が出ないという残念な結果になってしまうのがほとんどです。
ゴミ屋敷になる心の病気(2)セルフネグレクト
セルフネグレクトはゴミ屋敷のような状態になっても何も感じることがなく、少しでも改善しようという考え方を持ち併せていない人を言います。
ゴミ屋敷のような状況を引き起こしていて住民からクレームなどのトラブルに発展しているのに聞き入れないため、大きな問題に発展しやすくなる傾向があります。
このような場合は普段からゴミを出すことを面倒に感じて室内に貯め込んでしまいがちになり、最初は腐敗臭によって住民とトラブルになりますが、自分は気にしていないなどの理由からトラブルを解決しようとはしません。
公的機関からの忠告も無視してしまう傾向が強いので、解決がとても難しい事例になっています。
ゴミ屋敷になる心の病気(3)ためこみ症
ためこみ症とは性格的に物を捨てることができない人を言い、いずれは使うだろうと物品に執着して捨てることができない人を言います。
このような場合には本当の不要物であるゴミについては適切に処置できますが、他の人にとっては不要物だと感じている物品まで残してしまうため、どうしてもトラブルの温床になってしまうでしょう。
この捨てられない物品の中には食品なども含まれるため、いずれは腐って強烈な腐敗臭を発生するのでトラブルになってしまいます。
また食品でなくても風通しが悪くなるので湿気が高くなり、そこからカビや微生物の繁殖といった問題も引き起こします。ためこみ症になると足の踏み場がないほどに物が室内に溢れることになり、高く積まれた物が倒壊して居住者が怪我をすることも少なくありません。
これが屋外に出ていると通行人に接触する事例も出ていて、単なる個人的な問題で済ますことができなくなっています。
ゴミ屋敷になる心の病気は他にも
ゴミ屋敷を引き起こしてトラブルになっている人の中には精神的な病気が関係する場合があり、うつ病や認知症、統合失調症などの病気が挙げられます。
このような病気になると物を片付けるという意欲が減退したり、自分が置かれている現状認識ができなくなったりするでしょう。
他人からの意見も聞き入れずにゴミ屋敷の状態を放置してしまい、トラブルの解決がとても難しくなっていると言っても間違いありません。
ゴミ屋敷は心にとっても体にとっても良くない
人間にとって何が必要で何が不必要なのかは個人差がありますが、ゴミ屋敷のような状態になるのは明かに異常です。物が溢れかえっていると生活するための空間が失われ、居住者は常に圧迫感を持つようになるでしょう。
また塵や繁殖した微生物が室内に蔓延しているので病気にもなりやすくなり、気管支の不調が起きるだけでなく、内臓疾患を発症する可能性も高くなっています。
空調によって換気を行っていても、ゴキブリなどが徘徊しやすい環境なので意味がほとんどありません。
ゴミ屋敷の病気を治す方法について
ゴミ屋敷という状態にまでなってしまうと、その居住者を治す方法はカウンセリングなどの考え方を改めてもらうしかないでしょう。
精神的な病気が原因であれば医療機関による適切な治療が必要になりますが、性格や習慣については自分の起こしている行動のどこに問題があるのか把握させるしかありません。
トラブルが実際に起きていたとしても、それは本人がどのように感じているのかで解決方法は異なっています。わかっているのにできないのであれば協力して片付けることもできますが、物に執着している場合には捨てられると強い絶望感を覚える人もいます。
このような場合にはいきなり実力行使するのは逆効果になるので、時間をかけて本人の考え方を改めていくというのが最適な方法です。
ゴミ屋敷の病気を治す場合は病院へ相談を
このゴミ屋敷のトラブルを解決するには、常識を持ち出すだけでは意味がないでしょう。
それは個人によって持っている常識に違いがあるからであり、そこには今までの生活環境や性格が大きく関係しています。精神的な病気が起因していれば投薬などの治療もできますが、どうしても物を片付けられないのであれば専門的な知識を持っている病院に相談するのもいい方法です。
現在は心療内科という科目もあり、ゴミ屋敷の問題は大きくなっているので、病院の中には多くの情報を持っている場合もあるので、まずは相談してみることが大切です。
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