生前整理をする3つのメリットとやり方|老前整理や遺品整理との違いは何?
2019.11.01
生前整理とは生きているうちに死後のことを考え、自分の家族への財産や持ち物などを整理することを言います。
もし生前整理を行わなかった場合、自分以外の誰かが遺品や財産の整理などを行わなければならず、大きな負担になってしまいます。
生前整理を行わなかった場合は自分の大切なものが不本意な処分がなされてもやむを得ないでしょう。
残された人生をよりよく生きるため、残された家族に迷惑をかけないため、生前整理は必要になります。
生前整理は20代、30代から始められる方も
最近では20代、30代といった若い世代の人も生前整理を行う傾向にあります。
「20代~30代から始めるのは早いのでは」と思う人もいるかもしれませんが、若くても突然の事故や病気で命を落とす可能性があります。
そのため生前整理を始めるタイミングに正解はなく、幅広い年代で生前整理が行われているのです。
生前整理の必要性・やった方がいい理由
生前整理を行うことで自分の財産をどのように”誰に分けたいのか”という具体的な希望を死後に確実に叶えることができます。
日本の民法上では15歳以上から遺言を作成することができるようになります。この遺言で相続させる財産を指定することにより、自分の希望に沿った処分をすることができるようになるでしょう。
15歳以上から遺言を残すことができますが、若い世代で遺言のことを考える人はほとんどいないのが現状です。大抵の場合は病気になったり、災害に巻き込まれたりして死の危険を感じた時に生前整理を意識するようになります。
日本では地震や台風などの自然災害が増加傾向にあり、死後のことを考えるのは悪いことではありません。
生前整理をすることで不要なものを処分でき、自分がどのような財産を所有しているのか把握することができます。
そうすることで選択肢が増えていき、自分の希望を死後により確実に叶えやすくなります。
生前整理はあなた以外の家族の負担をへらすためでもある
生前整理は自分のためだけでなく、残された家族の負担を減らすためにも必要になるものです。
大抵の人の場合、亡くなった時点である程度の財産を持っていますが、死んでしまった後では自分の財産を分配、処分することができません。
財産を相続するということはお金の絡む問題であるため、残された家族がトラブルに見舞われることもよくあります。
- どんな財産があるのか
- どうやって処分するのか
- そのやり方など
を明確にしておいた方が残された家族が困らず、スムーズに遺産相続が進められるようになるでしょう。
自分がこれまで使っていたものは、遺族にとって大変な苦労になります。
遺品を捨てたら故人との思い出も消えてしまう気持ちになりますし、ものの量が多すぎればどこから手をつけたらいいかさえわかりません。
遺言を行って財産の行き先を決めたり、断捨離をしっかりと行ったりすることで残された家族の負担は小さくなっていきます。
生前整理を行う3つのメリット
主なメリットは
- 相続の争いを回避できる
- 予測不可能なことが起こった時に備えられる
- 認知症になっても安心
の3つになります。
生前整理はトラブルを減らせる
生前整理はもともと残された家族が相続問題でもめないように行う整理という意味で語られることが多いです。
そのため、生前整理をしっかり行えば相続争いを回避できる可能性が高まります。
遺産の中に不動産があると分割方法などでもめてしまいます。このような財産を現金化しておけば当事者同士で分割しやすく、トラブルの防止に繋がるでしょう。
また、本人が自分の財産を忘れてしまっていることもあります。思い出深い財産を常にリストアップしておけば、新たな財産が見つかったりせずトラブル無く手続きを進めることができます。
生前整理、老前整理、遺品整理の違い
生前整理と似たような言葉に老前整理や遺品整理などがあります。これらは内容ややり方などが違っているので、分けて考えるようにしましょう。
この3つは、始める時期に大きく違いがあります。
生前整理は自分が生きているうちに身の回りのものや財産を整理することで、年齢は関係ありません。
しかし、老前整理はある程度高齢になった段階で開始します。遺品整理は故人の遺品を整理するという意味なので自分が死んだ後に行われます。
次は誰が行うのかの違いです。生前整理は自分の亡き後に誰も困らないように、自分で行うのが一般的です。
老前整理は自分でやる場合もありますが、老いにより気力や判断力に問題がある場合は、家族などに手伝ってもらいます。
遺品整理は自分ではできないため残された家族が片づけをします。今度は、目的の違いです。生前整理は自分の希望を死後に反映させたり、相続トラブルを避けたりするために行います。
老前整理は老後の生活を快適にするために遺産整理は故人の遺品を整理するに行うのです。最後に、何をするのかの違いです。
生前整理や老前整理は物を処分したり、遺言を作成したりします。遺品整理は、物を片づけるだけでなく、相続の手続きも行わなければなりません。
この3つは似ている部分が多いですが、誰がやるのかややり方などに細かい違いがあるので言葉の使い分けに注意しましょう。
生前整理を行う際に注意する4つのポイント
生前整理を行う際には以下4つのポイントに注意する必要があります。
- 必要なものはしっかりと残しておく
- 財産を記録しておく
- エンディングノートを活用する
- 遺言書を残しておく
断捨離は思いきりのよさも大切ですが、必要なものはしっかりととっておきましょう。
老後に使えそうなものや、思い出の詰まったアルバム、いざという時の食料品などは無理に捨てる必要はありません。
ものを捨てた結果、生活するのが不便になっては本末転倒です。断捨離のやり方で大事なのは、処分するものは長年使っていないものを中心に行うということです。
また読まなくなった本や着なくなった服などは、リサイクルショップに売ることでお小遣いにすることもできます。
残された家族に迷惑がかからないように、処分が難しいものは自分で処分しておきましょう。
生前整理を行う際の注意点1.財産を記録しておく
財産の内容がわからなければ相続トラブルが起きやすくなります。被相続人の財産が一覧で判別できるように、財産を記録することも大切です。
不動産・現金や預貯金、株・FX、仮想通貨などどの口座にどれだけの財産があるのかなどはきちんとまとめておくのがおすすめです。
財産はプラスの財産だけでなく、奨学金やローン、借金といったマイナスの財産も全て記録するようにしてください。
マイナスの遺産も相続の対象になりますし、プラスの財産とマイナスの財産をまとめることで、財産の全体像を把握しやすくなります。
財産を記録しておけば、残された人たちの作業を減らすとともに、財産を誰に相続させるのか明確にしたり、不要な財産を処分するきっかけにしたりすることができます。
生前整理を行う際の注意点2.エンディングノートを活用する
エンディングノートはその名の通り、人生の終わりに備えて書いていく考えてノートです。
万が一のことが起った時に備え、生きているうちに家族やまわりの人に伝えたいことをノートに書いていきます。
エンディングノートのやり方や書き方にはルールはありません。死んだ後に家族に伝えたいメッセージを書いたり、自分の生年月日やパソコンのパスワードだったり、死ぬまでにやりたいことなどを書いていきます。
エンディングノートを活用することで、家族に思いを託したり、自分の人生を振り返ったりすることができます
。エンディングノートは遺言書と違い財産分与などに関して法的効力をもっていませんが、その分気軽に思いのたけを綴ることができます。
生前整理を行う際の注意点3.遺言書を残しておく
遺言書とは
- 死後の財産を誰に渡すのか
- 遺言書の指示を誰に実行してほしいのか
- 事業や不動産などの管理を誰に託すか
を明記した法的な書類のことを言います。
民法上効力を持たせるためには規定通りに文章を作成しなければならず、確かな知識と情報が必要不可欠です。
この遺言書があるかどうかで、相続発生後の流れは大きく変わっていきます。
自分自身の財産を死後にどのように分配するかは遺言書を残すしかないので、残された家族のトラブルを避けるためにきちんと作成することが大切です。
生前整理として家族信託を利用するという手段も
家族信託とは自分の財産を家族に託し、その管理や処分などのやり方を任せる手続きのことです。
自分で生前整理をできればいいのですが、高齢に進むにつれ身体的な障害や、認知症を患って判断能力が喪失してしまうケースもあります。
認知症を発症し、判断力が低下してしまうと、銀行口座が凍結されてしまいます。そうなってしまうと家族であっても預けたお金を引き出すことはできません。
家族信託をしておけば、受託者が預金の出し入れや不動産の売却などを行えるようになります。判断能力があるうちに財産を凍結されるのを防ぐために家族信託を利用するというというのも一つの手です。
ただ、この制度は比較的新しい取り組みなため、専門家が少ないのが現状です。利用する場合はやり方を自分で細かく調べるか、家族信託コーディネーターに相談するのが確実でしょう。
生前整理を業者にお願いする場合は?
生前整理のやり方がよく分からない時は業者に頼むという方法もあります。
生前整理を行う人が高齢だったり、やり方が分からなかったりする時は、業者にお願いすることで作業がスムーズになり、時間や労力を節約することができます。
業者の主な仕事内容は、仕分け作業や、不用品の買取及び回収、清掃などです。そして、業者にお願いする時は、資格を保有しているかどうかに注目しましょう。
生前整理アドバイザーやライフオーガナイザーなどが多く在籍している所を選べば、やり方が分からなくても生前整理を安心して任せることができます。
業者は信頼できる業者を選ぶことが大切です。そのためには複数の業者から見積もりを取り実際に会って話すのがおすすめです。
どの業者が良いのか分からない場合は一度ご連絡ください。
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